今の生活でDJの練習に使える時間はほとんどありません。
仕事があって、家事があって、育児があって、子どもを寝かしつけてやっと自分の時間になるのが夜。そこから確保できるのは、せいぜい2時間程度です。しかもこの2時間、本当は自分の睡眠時間を削って捻出しているだけなので、「本当はやるべきではない生活サイクル」だというのは自分でも分かっています。それでも、DJを辞める気にはなれない。だからこそ、この貴重な2時間をどう使うかが、自分にとってはかなり重要な問題になっていました。
そんな中で気づいたのが、「プレイリストの整頓やHOT CUE打ちのような“作業”に、貴重な夜の2時間を使うのはもったいないのでは?」ということです。せっかく家で機材を触れる時間なのに、その時間をrekordboxのライブラリ整理に食われてしまっては本末転倒です。夜はできるだけDJプレイそのものに集中したい。
一方で、幸いにも自分の本業は世間一般の出勤時間と少しズレているため、通勤電車では座れる確率が高めです。であれば、この「座れる通勤時間」を、プレイリスト整理やHOT CUE打ちといった、いわば“ながら作業”に充てられないか。そう考えて行き着いたのが、デスクトップPCとノートPCの2台で、同じrekordboxライブラリ(データベース)を共有する運用でした。
USBメモリにrekordboxライブラリを一元化する

考え方としてはシンプルです。rekordboxのデータベースそのものをUSBメモリに保存し、そのUSBをデスクトップPCとノートPCの間で持ち運ぶことで、どちらのPCからアクセスしても「同じライブラリ」を扱えるようにする、という運用です。
これを実現するために、いくつか地味だけれど重要なポイントを詰めていきました。
USBメモリの規格はUSB3.1以上が不可欠
最初、テストとしてUSB 2.0の規格のメモリを使ってみたのですが、これがとにかく遅い。ライブラリの読み込みや書き込みのたびにストレスを感じるレベルで、正直「使い物にならない」と感じました。DJプレイ中の操作感にも直結する部分なので、ここはケチらずUSB3.1以上の規格のUSBメモリを選ぶことが絶対条件だと判断しました。
USBメモリのドライブ文字はどちらのPCも「Z」に統一

デスクトップPC・ノートPCともに、USBメモリのドライブ文字を「Z」に統一しています。理由は単純で、どれだけ外付けドライブをたくさん接続しているPCでも、さすがにZドライブまで埋まることはまずありません。つまり「Zドライブ=DJ用ライブラリ」というルールを自分の中で徹底できれば、どちらのPCで作業していても迷わずアクセスできるわけです。地味な工夫ですが、こういう「絶対に迷わない仕組み」を先に作っておくと、後々の運用がぐっと楽になります。
USBメモリのフォーマットはFAT32を選択

今のところクラブでプレイする予定はありません。ただ、この先いつか機会に恵まれたり、友人とスタジオでダンス練習をするときに、置いてある機材がFAT32にしか対応していなかったら――そう考えると、「せっかくDJをするつもりで行ったのに、フォーマットの都合でできなかった」という悔しい思いだけは避けたいと思いました。多少制約はあっても、対応機器の幅がもっとも広いFAT32を採用することにしています。
データベースの保存先はどちらのPCもUSBメモリに指定

rekordbox側の設定で、データベースの保存先をデスクトップ・ノート両方ともUSBメモリ内に指定します。これにより、どちらのPCで開いても「同じデータベース」を参照する状態を作れます。
USBメモリ取り外し時はWindowsの「安全な取り外し」を

USBメモリを抜く前には、必ずWindowsの「安全な取り外し」の操作を行うようにしています。データベースファイルの破損リスクを考えると省略はできない工程ですが、これが地味に面倒で、正直この運用の中でいちばんストレスを感じる部分かもしれません。
バックアップは定期的に
USBメモリ1本にすべての楽曲データとプレイリストを集約すると、複数の機器ですぐに同じ環境を再現できるのは大きなメリットです。ただその裏返しとして、USBを紛失したり破損したりすれば、すべてを一度に失うリスクもあります。ですので、週に1回など自分なりのペースを決めて、定期的にバックアップを取るようにしています。
rekordboxのデータベースをUSBメモリで一元管理するメリット・デメリット

USB運用のメリット
- デスクトップPCとノート、どちらで開いても同じライブラリ・同じプレイリストにアクセスできる
- 通勤電車の座れた時間を使って、プレイリスト整理やHOT CUE打ちといった“作業”を進められる
- 家での貴重な2時間を、作業ではなくDJプレイそのものに集中させられる
- ドライブ文字をZに統一したことで、どちらのPCでも迷わず作業できる
USB運用のデメリット
一方で、実際に運用してみると想定していなかった不便さもいろいろと見えてきました。
書き込み・解析が遅い
USB経由での運用なので、rekordbox上でメタ情報を編集するときの書き込み速度がどうしても遅くなります。新しい楽曲をコレクションに取り込むときの解析処理も、内蔵ストレージに比べると時間がかかる印象です。
DJプレイ中の操作にも影響あり
使用しているDDJ-FLX4のツマミで次の曲を探すとき、地味に反応の遅延を感じることがあります。プレイに集中したい場面でこの遅延はなかなかのストレスです。
電車で座れる保証はない
そもそもの前提として、通勤電車で座れないとノートPCを開いて作業する、ということ自体が成立しません。当たり前ですが座れる日ばかりではないですし、座れたとしても「ノートPCを開いてまで作業しよう」という気力が湧かないことも多い。結局、スマホでSNSを眺めるほうが圧倒的に手軽で、その手軽さに勝てないというのが正直なところです。
USBの取り出し作業が面倒&時間がかかる
Windowsの安全な取り出し操作自体は数秒の手間なのですが、実際にはプレイリストの処理か何かがバックグラウンドで動いているのか、なかなか「取り出し可能」の状態にならないことがよくあります。この待ち時間が地味にストレスで、「サッと抜いて次の作業に移りたいのに」というタイミングで足止めを食らう感覚があります。
PCの切り替えが面倒
本来の理想は、デスクトップで落ち着いて編集する日もあれば、移動中にノートPCでコツコツ進める日もある、という柔軟な運用です。ただ実際には、そのたびにUSBを抜き差しする手間が発生し、これが思った以上に面倒に感じています。
もちろん「常にノートPC1台だけで編集もプレイも完結させればいいのでは」という考え方もあります。実際それがいちばんシンプルなのは分かっているのですが、家でプレイするときにコンセントを挿しっぱなしにすると、ノートPCのバッテリー劣化が気になってしまう。この事情もあって、結局は2台体制+USB共有という、今の運用に落ち着いています。
複数PCでrekordboxを使うならUSBメモリ一元管理は便利

家事・育児・仕事に追われる毎日の中で、DJの練習時間をどう捻出するか。その答えとして今たどり着いているのが、「家では極力プレイに集中し、地味な作業は通勤時間に済ませる」という、USBメモリでのライブラリ一元管理という運用です。
Gen3規格のUSBメモリ、ドライブ文字のZ統一、FAT32フォーマット、データベースの保存先設定、安全な取り外し、そして定期的なバックアップ。ひとつひとつは地味な工夫の積み重ねですが、これらを組み合わせることで、限られた時間の中でも自分なりにDJと向き合う仕組みを作ることができました。
とはいえ、実際に運用してみると、書き込み速度の遅さや取り出し作業の煩わしさなど、想定していなかった不便さも見えてきています。特に「通勤電車で座れたときに作業する」という前提自体が、思っていたよりも成立しにくいというのは正直な発見でした。
この記事で紹介した運用は、あくまで今の自分にとっての「現時点でのベストな折衷案」です。しばらくはこのやり方を続けてみて、もし途中でもっと良い方法が見つかったり、運用方針が変わるようなことがあれば、改めてこの記事に追記していこうと思います。同じように限られた時間の中でDJを続けている方の、何かの参考になれば嬉しいです。
p.s.
運用の後日談ですが、やはり毎日USBメモリをノートPCとデスクトップPCで抜き差しする作業がすぐに嫌になりました。「バッテリーの劣化が気になる」なんて細かいこと気にせず、毎日の利便性を考えてノートPC本体に楽曲データもメタデータも入れて、ノートPCとDDJ-FLX4を繋ぐ運用で楽しんでいきたいと思います。運用について進展があれば、また追記させてもらいますね。



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