DJという「ギブ」の要素 ― HipHop4大要素についての考察

dj_give_mind_アイキャッチ画像 DJ

HipHopにはMC、DJ、ダンス、グラフィティという4大要素があります。今回はその中でも、僕が最近ハマっているDJというものについて、自分なりに考えたことを書いてみたいと思います。

結論から言うと「DJは4大要素の中でも、いちばん“人のため”を意識しやすい活動なんじゃないか」という話です。

ダンス歴だけは長いくせに、恥ずかしながらHipHopの成り立ちや思想について、これまでちゃんと向き合ったことがありませんでした。今さらではありますが、DJという新しい入り口から改めて学び直してみて、いろいろと腑に落ちることが多かったので、備忘録も兼ねて言葉にしておきたいと思います。

HipHopはすべて自己表現のカタチ

僕は大学でストリートダンスに出会い、熱中する時期とまったくやらない時期を繰り返しながら、かれこれ15年以上ダンスと付き合ってきました。そして最近になってDJにチャレンジし始めたのをきっかけに、改めて「HipHopとは何か」を調べてみたんです。

ダンスをしていた頃は、正直「自分が気持ちよく踊れればいい」というくらいの意識しかありませんでした。でも調べてみると、HipHopはそもそも自己表現のカタチであり、ギャングの抗争を武力ではなく表現で競い合うところから発展してきた、という歴史的な背景があります。つまり最初から、そこには必ず「相手」がいて、コミュニケーションであり勝負でもあったわけです。

そんなことも知らずに、自分の気持ちよさだけを求めて踊っていた僕は、ちょっと本質からズレていたのかもしれません。もちろん、自分の好きなように踊ること自体が悪いわけではないです。ただ、この歴史的な背景を知っていたら、ダンスの表現力ももっと変わっていただろうな、とは思います。

DJに出会って気づいた「ギブ」のマインド

DJを始めて曲を集めるようになってから、自分の中で無意識に浮かんでくる考えがあります。それは、

「もし大学のダンスサークル仲間とスタジオを借りて遊ぶ機会があったら、DJとしてこんな曲をかけて、みんなを楽しませてあげたいな」

というものです。

僕には「いつか、かつてのダンス仲間で集まって、ワイワイしゃべりながら好きな音楽に乗って、思い思いに踊ったりサイファーをしたい」という願望があります。でも今は、みんな結婚して子育てをしていたりと忙しく、なかなか集まれません。予定も合わないし、学生の頃のように気軽には会えなくなってしまいました。

だからこそ、もし集まって遊べる機会があるなら、その貴重な時間をみんなが存分に楽しめるように、DJとして場を盛り上げる役回りになりたいんです。これは、ダンスをしていた頃にはなかった感覚です。

もちろん、プロのダンサーは「会場を盛り上げること」や「ダンスの魅力を伝えること」を強く意識しているはずです。でも、あくまで一人のダンサーとしての僕には、そういう意識はほとんどありませんでした。ダンスは自己完結しやすい一方で、DJはリスナーの存在を強く意識せざるを得ません。だからこそ、DJは「人のために」という気持ちを持ちやすい、素晴らしいHipHopの要素だと感じています。

もちろん、HipHopのどの要素でも、相手のことを考えて活動することはできます。あくまでこれは、DJがほかの要素より「ギブ」の意識を持ちやすい、という僕なりの意見です。

グラフィティは自己表現、DJは他者貢献

ちなみにグラフィティについても少し触れておきたいと思います。HipHop4大要素のひとつであるグラフィティは、声をあげられない社会的立場にいる人たちが「自分はここにいる」という存在証明として壁に名前を書いたのがルーツだと言われています。この背景だけを聞くと、グラフィティはどちらかというと、人のためというより自分に向いた活動なのかな、と思います。

もちろん批判したいわけではなく、あくまで浅い知識からの個人的な考察であることはご了承いただければと思います。

DJに出会って変わった自分

話が少しそれましたが、僕はDJというHipHopの活動に出会えたことに、とても感謝しています。

僕はもともとあまり他人に興味がなく、「自分が楽しければいい」というマインドが無意識に働いていることを、自分でもうっすら自覚していました。誰しも多かれ少なかれそういう面はあるのかもしれませんが、そんな自分のことを、正直ちょっと嫌だなと感じながらこれまで生きてきました。

でも、DJにチャレンジし始めて気づいたんです。自分の中に「仲間を喜ばせるためにやりたい」というギブのマインドが、ちゃんとあったことに。この発見は、僕にとって本当に大きなものでした。まだまともにDJプレイもできない、そんなレベルの自分でも、DJという活動を好きになれたんです。もっとプレイスキルが上がって「いつでも仲間を楽しませてあげられる」という自信がついたら、きっともっと自分のことを好きになれる予感がしています。

おわりに

他者貢献につながる要素が大きいDJという活動は、本当に素晴らしいと思います。いつか、かつての仲間と集まってワイワイやれる日を夢見ながら、これからもコツコツとCUE打ちやプレイリストの整理、そしてミックスの技術を高めていきたいです。焦らず、でも着実に、そんなペースで続けていこうと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました