高校生や大学時代にダンスと出会い、夢中で踊っていたのに、社会人になった途端に余裕がなくなり、いつの間にか辞めてしまった——そんな人は多いのではないでしょうか。例に漏れず、僕もそのひとりです。
でも30代半ばになって、最近気づいたことがあります。
「歳を重ねてからこそ、ダンスをすべきだ」と。
この記事では、僕自身の実体験を交えながらお話ししていきます。
ダンスを社会人になってから辞めてしまう理由

大学卒業から10年以上が経ち、結婚して子供もできて、気づけば僕の人生から、あんなに大好きだったストリートダンスはフェードアウトしていました。同じような経緯をたどった人も多いはずです。どうしてこうなってしまうのか、振り返ってみます。
理由① 体力的に余裕がなくなる
社会人になると、1日の仕事をこなし、家に帰って家事をこなし、やるべきことが済んだ頃にはもうヘトヘト。特に社会人になりたての頃は、目の前の仕事に必死で、気持ちの余裕もありません。そんな生活の中から、体力を使う趣味が消えていくのは自然なことです。
ある程度仕事に慣れて「少し余裕が出てきたな」と感じる頃には、毎晩SNSや動画をダラダラ観たり、酒を飲んだりゲームをしたり——ダンスの入り込む余地のない生活ルーティンが、すっかり出来上がっています。そんな日々を数年続ければ、「踊りたい」という衝動も自然と消えていくものです。
実際、僕もずっと仕事終わりはゲーム漬けの生活でした。身体を動かさずに気分転換できる娯楽に嗜好が移っていくのは、ある意味仕方のないことなのかもしれません。
理由② 時間がなくなる
体力面のキツさに加えて、単純に時間がなくなるというのも大きな理由です。残業があったり、帰宅後は家事や育児に追われたり。1日のToDoを終える頃にはもう深夜、ということも珍しくありません。
自分の余暇時間を確保できなければ、ダンスを続けるのは難しくなります。特にスタジオでレッスンを受けたり、仲間と集まって踊ったりするスタイルは、移動時間も含めるとコストが大きくなりすぎます。
「ちょっと踊りたいだけ」という軽い気持ちに対して、割に合わなくなってしまうんですよね。仕事・家事・育児と両立しながらダンスを続けるのが難しくなるのは、当然の結果とも言えます。
理由③ 仲間がいなくなる
そして、ダンスを辞めてしまう一番の理由は、何と言っても「ダンス仲間がいなくなること」だと僕は思っています。
学生時代は気兼ねなくつるんでいた友人たちも、社会人になれば仕事や家事・育児で予定が合わなくなり、だんだん集まりづらくなっていきます。もちろん一人で黙々と練習することもできますが、やはり一緒に盛り上がれる仲間の存在は大きいものです。
ダンスはノンバーバル(非言語)なコミュニケーションでもあり、お互いのムーブを讃え合いながら踊ることこそ、醍醐味だと思うからです。
僕自身、社会人5年目の頃にダンス仲間を求めてネット掲示板で募集をかけ、集まってくれた2人と計3人で駅前で踊ったこともあります。あの時は本当に楽しかった。
毎週か隔週くらいのペースで集まり、ダレていた社会人生活に彩りが戻った感覚がありました。それも半年ほど続いたと思いますが、やはり社会人同士の集まりだけに、転勤などの生活の変化で次第に集まれなくなり、気づけばまたダンスのない生活に戻ってしまいました。
それでも、社会人こそダンスをするべき理由

いろんな制約からダンスをしにくくなるのが社会人ですが、それでも僕は、社会人だからこそダンスをすべきだと思っています。その理由をお話しします。
理由① ストレス発散になる
身体を動かすことは、間違いなくストレス発散になります。仕事でも家事・育児でも、思うようにいかず不満やストレスが溜まることは多いですよね。
余暇をダラダラ過ごしたり、お酒で憂さ晴らしをしたりするのも悪くありませんが、身体を動かしてリフレッシュする方が、やはり何倍もスッキリします。しかもダンスはリズム運動なので、セロトニンが分泌されて幸福感が高まるという利点もあります。
他の運動でもリフレッシュはできますが、その中でもダンスのストレス発散効果は特に大きいと僕は感じています。好きな音楽を聴くこと自体が楽しいですし、そこに自分が気持ちいいと思うムーブを自由に乗せることで、楽しさはさらに増します。ダンスは自己表現でもあるので、さまざまな感情を満たしてくれるんです。
しばらくダンスから離れていて忘れていましたが、生活に取り入れてみると、明らかにストレスが軽くなっていることを実感します。子育てをしていると、子供が言うことを聞かなかったり家事に追われたりでイライラしてしまい、「また怒りすぎてしまったな」と後悔することもしばしばありました。
でも、ダンスを再開してからは、無意識に溜め込んでいたストレスが解消されているのか、イライラが爆発するようなこともなくなりました。心に余裕ができている感覚があります。仕事や家事・育児でストレスを抱えがちな社会人だからこそ、幸福感を得やすいダンスで発散すべきだと思うのです。
理由② 限られた時間を有意義に楽しめる
ダンスは、忙しい社会人の限られた時間でも十分楽しめるのも魅力です。仲間と集まって踊るのは難しくても、自宅や近所の公園で一人で踊るくらいなら、スキマ時間で十分楽しめます。
社会人になって特に大変なのは、まとまった自由時間を確保できないこと。アウトドア系の趣味などは、それゆえに続けにくかったりします。でもダンスなら自宅でも楽しめるので、「お気に入りの一曲だけ踊る」といった形で、時間の融通を利かせながら満喫できます。
僕自身、昼間は仕事、帰宅後は家事と育児に追われ、子供を寝かしつけた後の夜遅く、自分が寝るまでの2時間ほどだけが自由な時間です。その時間に外出するのも大変ですし(すでに子供とお風呂も済ませています)、お酒が苦手な僕には晩酌という選択肢もありません。
そんな時、自室にこもってダンスをすると、とにかく解放感と幸福感で満たされます。もちろん、子供の睡眠を邪魔しないようイヤホンで音楽を聴きながらですが。寝るまでの限られた時間を最大限に楽しめるダンスという趣味があって、本当に良かったとつくづく感じています。
理由③ 健康維持にもつながる
社会人になると、運動不足も深刻な問題になりがちです。運動する時間が確保できず、気づけば体重が増えてメタボ気味に、という方も多いのではないでしょうか。ダンスの習慣があれば、そんな運動不足の解消にも役立ちます。
いきなりブレイクダンスのような激しいものでなければ、ダンスは比較的ケガをしにくい安全な趣味です。もちろん準備体操やストレッチをしてから踊るに越したことはありませんが、軽くノる程度なら、正直ストレッチなしでも問題ありません。この気軽さも、習慣として続けるうえでは大事なポイントだと思います。
社会人に人気のジョギングですら肉離れのリスクがあり、ストレッチが欠かせないことを考えると、自宅で無理なく踊る程度のダンスは、健康維持にうってつけの趣味だと言えるでしょう。実際、僕もダンスのおかげで体重は平均並み、お腹も出ておらず、ケガもありません。
社会人こそ、ダンスを

社会人になると、さまざまな制約からダンスと距離ができてしまいがちです。でも、ストレスを溜め込み、運動不足で体調に悪影響が出やすい社会人だからこそ、スキマ時間で手軽に楽しめて幸福感も得やすいダンスを、ぜひ生活に取り入れてみてほしいと思います。音楽と身体ひとつでできるのも、大きな魅力です。
ただ、社会人になると仲間と一緒に楽しむ環境づくりが難しいのも事実。せめて一人でも楽しく続けられるように、好きな音楽ジャンルを見つけておくと、継続のハードルがぐっと下がるはずです。
この記事を読んだついでに、好きな曲を一曲かけて、軽くノってみてください。今日が、あなたの楽しいダンスライフの幕開けになりますように。



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